そんなやり取りをしている最中だった。

「……!」

ふと、和正が顔を上げる。

その視線は鋭く、険しい。

「な、何よ」

思わず怯む優花。

「や、やろうっての?いいわよ、表に出なよ、私こう見えても高校時分は通信空手やってて『鬼殺しの優花』って、ちょっと知られた…」

見え見えのハッタリをかまして和正を威嚇する優花。

しかしそんな彼女には目もくれず。

「失礼」

和正は受付の席を立った。