扉の向こうで、焦るケイの声がした




「晴!?どうした!?寝てんのか!?」


「……うん……。寝てた」




明るく言い返すと、ケイがホッと息をつくのがわかった




「……ったく、溺れんなよ」


「溺れないよ!」


「どうだか」


「もうっ。そろそろ上がるから出てって!」


「はーいよー」




ケイの影が遠ざかったあと、湯船を出た



ぬるいお湯がわたしの身体を冷やしたのか、あの日を思い出したのか



わたしは、酷く震えていた