大好きだったよ。

「はい?」

「風呂、沸いた」

ちょこっと扉を開けると、海の顔が見えて。


少し赤い気がした。


「うんっ」


廊下に出て、階段を駆け下りる。


「ってか、勝手にお風呂沸かしたの?」


聞いちゃいけないのに。


また、海の気に触るようなことして。


バカじゃん。あたし。


だけど、海の声が聞きたかったんだ。


「寒いだろーなって思ったから」


そういうと海はすぐに階段を下りてしまう。


「ちょ、待って」


急いで階段を駆け下りる。


やっぱり海の横顔が赤い気がして。


「可愛い...」


気が付くとそんなことを口走っていた。