大好きだったよ。

「なんだよ、その顔。不満そうだな」



不満だもん。


あんたなんかになんでこんなことされなきゃいけないの?


あたしがバカだったんだ。



買い物になんか寄ったあたしがバカだった。



こんな男に荷物持たせたあたしがバカだった。


「こっち向けよ」


背けた顔を正面に戻される。



ヤダよ。だめだよ。



もうどうやたって助かりそうにないよ。


すぐそこに高杉くん...高杉の顔があるんだもん。