バスで、20分ぐらい掛かった気がする。


それでも、何分待ってでも早く行きたかったから。



待っていた。


ずっとずっと待っていたバスが遠く向こうから見えてきて。



顔が緩んでる。


そんなの分かってるけど、


到底、抑えられない。


やっとやっと来たバスの中に海のような姿が見えて。


いつもみたいに足を組んでいた。


「来たよ!!」


「タノシミダネ。」


バスの扉が開いて、


いよいよ来るんだ、


海が。


この街に。