「うん、またね」


まるで、下校のときのように、


「またあしたね」って言う態度で。


当たり前の毎日を過ごしてるフリをして、


明日も家のピンポンを押してくれるかのように。


『おう』


声だけは海も元気だった。


ちょっとだけ、


ほんのちょっとだけ、


震えてたけど。


あたしだって、


目には涙が溜まってるけど、


そんなの、無視して。


知らないフリして。


海を信じて。