海は頭が狂ってしまったのかもしれない。



馬鹿なあたしでも、海が馬鹿なこと言ってるように聞こえる。



「分かってるんだったら、ねぇ、どうしちゃったの?」



『どうもしねぇよ?普通だけど』



「普通じゃないよ。おかしいよ。」


『いいじゃん。かっこつけさせてよ。大丈夫、死なないから』


「大丈夫じゃないよ!」


『何を根拠に言ってるの?ただの夢でしょ?海潮こそ、おかしいよ』


海の声が、ちょっと怖かった。


「でも、飛行機が一気に落ちちゃって、それで」


『それで?』


「それで、じゃないよ。飛行機が...」

冷静になるって決めたのに、



いつの間にか冷静じゃなかった。