ありがとう。



あたしは心の中で囁いた。



「うんっ!」



あたしは言った。



このまま落ち込んでいても、桔平に彼女がいるというのは変わらない。



だから、あたしは前を見ようと思う。



その時はそう思っていた。




そう、あの事件が起きるまでは…。