「なら小姫、今…彼氏は?」
「一年位はいない。大学で藍と知り合ってから彼氏出来てないよ。その前は結構…入れ代わりで彼氏いたけどね。」
そう、高校から大学一年生の時までは絶えず彼氏がいた。
告白されて付き合うってのを繰り返してた。
矢島と別れて、もうどうでもよくて…誰でもいいから傍にいて欲しかったんだよね…。
で大学二年生になって藍と知り合った。
藍はどんな私でも優しい目で私を包んでくれた。
一緒にいるのが楽で誰に何を言われても藍がいるから平気だった。
藍は私を信じてくれてるし私も藍を信じてる。
何百人友達がいたって…たった一人、信頼出来る親友がいたら…その何百人の友達はいらないって思える。
今までいた軽い友達なんか藍がいるならいらないって思えたんだ。
こんな気持ちは久しぶりだったの。
矢島の時も同じ事を思ってたから。
矢島は人気者で私なんかが彼女っていうのが気に入らない人は沢山いた。
だけど何を言われても矢島がいるから大丈夫でいれたの。
美帆もいたから強くいれたんだ。
だけど矢島と別れて、そんな気持ちを忘れていたんだ。
誰でもいいから…私を好きでいて欲しかった。
藍と出会ってなかったら私は軽い付き合いしか出来ない女の子だった。
藍には感謝してるんだ。
だけど、私は矢島にも感謝してる。
初めてこの気持ちを教えてくれた人は矢島だから。
私はもうこの大事な気持ちを忘れたくないよ。

