「母さんからの頼まれもの届けに来た。」 ……やっぱり。 朝倉家ではあたしが、藤原家では駿が、お母さんの届けものいつも頼まれる。 お母さん同士が仲いいせいで、あたしと駿はしょっちゅうお互いの家を行き来していた。 「そーなんだ。 いつもおつかれさま!」 あたしがそう言うと、駿がゆっくりと振り向いた。 「…晃太郎に送ってもらったの?」 「…うん。 かなが危ないからって。」 なんか、駿に聞かれると、後ろめたくなって、とっさにかなに言われたことを付け加えた。