あいことば



何時間か歌ったあと、カラオケはお開きになった。


各々帰る準備を始めた。

あたしは、今回のメンバーの中で唯一帰る方向が逆だった。


ということは、1人で帰らなくちゃいけない。



「萩くん、しんを送ってやって!」


かながいきなりそんなことを言い出した。


あたしと萩くんがビックリする。



「いや、悪いよ…。

逆だから遠いし。」


あたしが申し訳なさそうに言うと、かなが言った。



「最近不審者も増えてるんだからね。

女の子を1人で帰らせちゃいけないよ!」


かながそう言って、何かを萩くんがに耳打ちした。


一瞬萩くんの表情がかわった。