駿が立ち上がり、あたしの上に影をつくる。


駿はあたしよりもずっと身長が高い。




目の前に立てば、あたしなんか駿の影におさまってしまう。



今度は、あたしが駿を見上げることになった。






「…そうだな。

オレも、

しんと全国行きたい。


いっしょに、

全国大会の会場で走ろうぜ!


お前はハードル、

オレは100。



それぞれの種目で。」






駿はそう言って、大きくのびをした。



「そーとなりゃ、

こんなとこにいられないな。



死ぬ気で練習しないと。」


駿が笑った。


あたしもいっしょに笑った。