「お前の走り、 今日すごくよかった。」 「…うん。」 「オレ、お前決勝行くと思った。」 「…………」 無言のあたしを横目でみながら、駿が言葉を続けた。 「お前、悔しいんだろ? だったら、次は必ず決勝行けよ。 お前なら、絶対行ける。 オレ、断言できるから。」 駿がトラックをまっすぐに見つめる。 あたしは、駿の言葉に胸が熱くなった。 いつもそうだー…… あたしは、いつも駿に支えられてばかりだね。 あたしがうつむいていると、駿があたしの頭にジャージをかけてきた。