「はぁぁ」と駿がため息をついた。 「オレ、今日調子よかったんだけど。」 「…そうなんだ。」 そうは言ったものの、あたしは駿の走りをずっと見てきたから、それはすぐにわかった。 「駿、決勝でるんでしょ?」 「おー。」 駿がそう答えてから、あたしたちは無言になった。 「…………………」 「「…あのさ、」」 駿と声が重なった。 「駿、さきに言っていいよ。」 「いや、お前から言えよ!」 「駿から!!」 「お前から!!!」 そう言い争った後、ついに駿がおれた。