あたしたちがスタンドにつくと、あたしたちの姿を見つけた先輩が手招きをする。 「もう藤原でるよ。 ほらっ!」 先輩の言葉を聞いてトラックを見ると、3コースに駿の姿を見つけた。 スタブロの調整をしていた。 あたしは駿を見ながら、先輩の隣に座る。 先輩は、「あちー」と言いながら手であおいでいた。 アナウンスが聞こえ、選手紹介が始まった。 駿の名前が呼ばれ、駿がまっすぐに手をあげた。 そして、 ピストルの音が鳴り響き、レースが始まった。