でも、さきはあえて何も言おうとはしなかった。 それが、あたしはうれしかった。 生半可な気持ちで言われる言葉ほど、悔しいときにつらいものはない。 全力は出した。 でも、実力がまだ足りなかったというだけだ。 「…さき、 100の予選が始まるから行こっか?」 「うん。」 あたしとさきは、100の応援をするためにスタンドにむかった。 100はー…… 駿が走る。