1台… 2台…… 3台……… とハードルを越えていく。 風をきっている感じがする。 すごく気持ちがいい。 あたしは無我夢中で走った。 最後の最後まで接戦だった。 「おつかれー!」 そう言って、さきが荷物を持ってやってきた。 「どうだった!?」 少し肩で息をしながら言った。 「接戦だったね。 あたしの位置からじゃ1位か2位か分からなかったよ。」 靴を履き替えながらさきの言葉を聞く。 自分的には、今の力を出し切れたと思う。 あとは、タイムが出るのを待つだけだ。