選手紹介が始まり、あたしは深呼吸をする。 名前を呼ばれ、まっすぐに手を上げた。 拍手の聞こえた方へ目をやると、駿や先輩たちがいた。 「位置について…」 スタブロに足をかける。 「よーい…」 ピタリと静止する。 体中を緊張がかけめぐる。 パァンッー… その音を聞いて、あたしは走り出した。