グランドに駿と走って戻る。


横に並ぶと、駿があたしのスピードに合わせていてくれるのがわかる。





…ー今回は、なんか駿に助けてもらっちゃたな。


「……ありがと…。」





そう思い、ぼそっと駿に向かって言った。



聞こえていたのかいなかったはわからない。



でも、あたしの横を通り過ぎる間際、何も言わずにあたしの頭をぽんっとたたいた。




その横顔からは、駿がどんなことを考えているのかはわからなかった。




「…ーかっこつけ……。」



あたしよりも、一足早く走り始めている駿の背中につぶやいた。