あいことば



あたしの心臓がさっきよりも、大きくドキドキとなる。


「もうどっか探した?」
その言葉にまおが頷く。

「何ヶ所かは見たけど、どこにもいなくて……

でも、りんの靴はあったから学校内にはいると思う。」




…りんー……


あたしは部長にちょっと抜けることを告げ、部活の格好のまんま、まおとりんを探しに出た。





「体育館は探した?」


「ううん、まだ。

校舎の中を探したの。」



まおは、きょろきょろと辺りを見わたしながらあたしと並んで走る。


「まお、りんは大丈夫だよ。」



まおに言ったというよりは、自分に言い聞かせるようにそうつぶやいた。