あいことば



「しんちゃん、りん見てない!?」

やっぱり、りんのことだった。

りんはあたしの隣のクラスで、まおと仲がいい。



「りんなら今日は部活休みだから、教室にいるか家に帰ってると思うよ。」

「ちがうんだって!」


まおがすぐに言った。



なんかー…

様子がおかしいような……



「ちがうって、何がちがうの?」


まおのただならぬ雰囲気に、心臓がばくんばくんと音をたてた。




「りん、なんか女の先輩たちに呼び出されたの。
そしたら、ずっと帰ってこないんだって!


すぐに帰るって言ったんだよ?!



先輩たちも知らない人だったし、帰ってこないし、もう心配で……」


まおが目に涙をにじませながら言った。