ここにきて、改めてわかる駿のすごさ。 「藤原よゆうだね~!」 と横でさきも言っていた。 あたしは、何だか駿がほめられたことが自分のことのように嬉しくてにやけた。 それを見たさきがまたにやにやしている。 「じゃあ、しん! がんばってね!」 さきは、そう言って自分の団のところに帰って行った。 あたしは、女子の100mの2組目だ。 選手の列に並び、あたしは順番がくるのを待った。