あいことば




「なんであたしがしんの話を聞かなきゃいけないの…?


あたし、亮ちゃんのことがすき。

ほんとに大好き…


だから…あれを見たときすごくショックだった。」



部屋の中から、りんが嗚咽する声が聞こえた。





りんが、泣いてる。



…あたしが泣かせてる。



「いつも…

いつも……しんばっかりだよね?


しんはいつもあたしの大事なものをとっていっちゃう…


しんは優しいから、あたし、今まで言えなかった。


でも、しんと比べられることがほんとにいやだったの。


あたし、しんに負けないようにっていろいろ頑張ってきた。


でも…それでもみんなしんを選ぶんだ。」