「…しん!待て!」 あたしが玄関のドアに手をかけた瞬間、亮ちゃんがあたしを呼び止めて腕をつかんだ。 あたしは亮ちゃんの方をばっと振り返った。 「返事のことなんだけどさ。」 「…っ、それは…」 亮ちゃんと付き合うのはあたしには無理だよ。 そう言おうとした瞬間だった。 亮ちゃんが腕をつかんでいないほうの手で、あたしの口をふさいだ。