「……しん… …兄貴………」 そうつぶやく、駿の声が聞こえた。 あたしはさぁっと血の気がひくのを感じた。 「……亮ちゃん…!」 あたしは、そう言って亮ちゃんの腕から抜け出そうと試みた。 しかし、抜け出そうとするあたしを阻むかのように、亮ちゃんが抱きしめる力を強くした。