駿の家の前。


両手には紙ぶくろをしっかりと持っている。


あたしはベルを押そうと手を伸ばした。




ーーガチャー


「ん? しん?」


図ったようなタイミングで駿が出てきた。



「…おはよ。」


昨日のことが頭をよぎり、ためらいながらもひとまずあいさつだけはした。




「おー。

何でしんがうちの前にいんの?」


駿が玄関にたったままたずねた。