「おーい! 朝倉!ちょっとこい!」 あたしが1人で校舎の横を通り過ぎようとすると、いきなり顧問に呼び止められた。 あたしは、少し嫌なかおをしながらしぶしぶ顧問のところに近寄った。 「朝倉、ちょうどよかった! 次の大会のプリントなんだけどな、藤原の分がたりなかったからこれ渡しといてくれるか?」 そう言って、顧問は封筒に入った一枚の紙を差し出した。