「何?」


そうたずねると、お母さんはにっこり笑って紙ぶくろを差し出した。



「これ、学校行く前にひとちゃんの家に届けてくれないかしら?」


ひとちゃんとは、お母さんの親友である瞳さんのことだ。


駿と亮ちゃんのお母さんでもある。



「いいよ。」


そう言って紙ぶくろをうけとる。



…ー意外に重い。



「いってきまーす。」


そう言うと、玄関にいたお母さんが笑いながら「いってらっしゃい」と言った。