「…何で? いきなり…。」 オレはさっきのことを思い出してむっとした。 「オレが祭りから帰るとき、しんが1人で寂しそうに帰ってたからさ。 あいつ、暗所恐怖症のくせに1人だったから変だなぁって思って。」 オレは、兄貴の言葉にポカーンとなってしまった。 しんが1人で帰ってた? 寂しく? 寂しいのは、置いていかれたオレの方じゃねえか。 そう思っていたのが顔に出ていたのか、兄貴はぼそりと言った。