「そーいえば、

りん、数学の課題終わった?

明日提出のがあったよね?」






その瞬間に、りんの動きがピタリと止まる。






「りん……

まさかやってないとか言わないよね?」




「……あっ、あは☆」




りんー…

テンションがアメリカ風になってるよ……






「だーかーらー、

しんちゃーん、

見・せ・て♪」




りんがにっこり笑ってみせる。





はぁとため息をつく。






「りん、

今夜は徹底的にやるよ!」




にっこりしたままフリーズしているりんのかたを叩く。




「どーせ写したって、

先生にはすぐバレるしね。」




りんがそれを聞いてうなだれる。




「何で、双子なのにしんとあたしでこんなに偏差値がちがうのかなぁ~!」




りんがぶーぶー文句を言う。







…ー今夜は徹夜になりそうだ。



あたしはそっと窓を開け、少し生暖かい初夏の風を吸い込んだ。