あたしは今まで、きちんと恋したことがなかった。 でも、この恋は胸をはって 「恋しています。」 って言いきれる。 人混みの間を縫うようにして歩き、やっと公園についた。 頭上では、まだ花火が上がっていた。 この祭りは、花火の数が多くて有名だ。 あたしはそんな花火を横目で見ながら、駿のいるベンチに向かった。