「ただいまー。」
玄関のドアを開けて言った。
「しんーッ!
おかえり♪」
居間から凜(りん)が顔を出して言った。
りんは、あたしの双子の妹だ。
同じ高校に通っている。
2階に上がり、自分の部屋に荷物を置く。
ふと、机に置いてある写真たてに目をやる。
最後の県大会の写真ー…
涙目のあたしと、笑顔の駿がそこにいる。
このときの駿は、関東大会行きを決めていたんだっけ……
そして、この写真を撮ったあとー…
駿があの言葉を言ってくれたんだよね。
「しんちゃーん、ごはんよ!」
下からお母さんの声がする。
「はーい」
返事をして1階におりた。

