「今まで、まどかに何回告られたっけ?」

「んー。5回かな?
 1回振った時点で諦めろよな…」



まどかは朔羅が好きで、今まで何回も告白してるんだけど、その度に朔羅は断っている。


別にまどかは特別嫌われるような子なんかじゃないんだけど、朔羅は生理的に受け付けないらしい。





だめなことだってわかってるんだけど、朔羅がまどかの告白を断る度にあたしは安心している。


だけど、まどかが朔羅に告白する度にあたしは陽に「まどかの勇気を見習いなさい」って怒られる。




まどかの勇気に感心はするけど、行動をしようとしないあたしは本当にヘタレだと思う。










「ほら~、席着け~。みんな揃ってるな?」


おそらくこのクラスの担任であろう先生は、去年の担任と変わってなくて、隣の朔羅は「また、あいつかよ」とうなだれている。





それから、今日一日のスケジュールを聞き流し、始業式があるからと体育館へ移動をした。


体育館でも校長の話を聞き流す。
隣を見ると朔羅が下を向いて爆睡している。


寝顔がかわいいと思ってしまうあたしは重症なのか。