教室に入ると黒板に席順が書いてあって、あたしは一番後ろの席だった。



「あ、有紗の隣……(笑)」

「うっさいなぁ」

「なにか起きないかなぁ?」

「起きないから安心して」






あたしの苗字が大楽(タイラ)だから、苗字が園田の朔羅とは1年のときも出席番号が一緒だった。


つまり1年のときも入学したばっかの席は隣だった。







「また隣じゃん。よろしくね有紗ちゃん?」

「完璧作り笑いじゃん」

「あ?ばれた?」

「ごめんなさいね~。隣があたしで!」

「そんな怒んなくてもいいじゃん…」

「だって朔羅が」

「あー悪かったって。
 でも隣があいつじゃなくてよかった。
 もし、あいつだったら俺死んでたからね」


そう言って朔羅が指を指すのは、山本まどか。