そう。
あたしは朔羅が好きだ。


1年のとき、野球部の試合の応援に行った。
見方のエラーなどで相手に圧されていたとき、マウンドに送られたのはレフトにいた朔羅。



軽く投球練習を終えて、バッターを前にした朔羅の顔はいつもと全く違っていた。


朔羅が放つオーラだとか、目と色だとか…


指先から放たれる一球一球が…


しなやかに振り落とされる左腕、全てが綺麗だと思った。



それから普段の生活でもドキッとしちゃうことが多くて、気づけば朔羅を目で追っていた。








でも好きっていう感情に気づいたのは最近。


「有紗、それ好きって言うんだよ」


陽の一言で、いままでのモヤモヤがスパッと消え去っていった。