3回裏
1ｰ0
こっちが1点リードしてる。

1アウト2塁
バッターは朔羅。


長打が出れば点数が入る場面。



いけー！朔羅打てー！
心の中で必死に叫ぶ。








カキーン



朔羅のこれまた綺麗なフォームで、ボールをバットでとらえると、ボールはぐんぐん伸びて行きセンターの頭を越えた。




「っしゃあ回れーっ！」


ベンチやスタンドからは黄色い声援が出て、3塁コーチャーも腕をブンブン回している。





朔羅はセカンドベースも蹴って、サードベースにスライディングした。



「セーフッ」



審判の腕が水平に伸ばされた。








「ぃやったぁー！さーくーらー！
　ナイスバッティン！」


スタンドのフェンスにしがみついて、叫んだ。


すると朔羅がサードベースから、あたしに向かってガッツポーズをした。

やばい。キュン死にする。