「…あ、卓哉…。」 部屋に戻ると、愛が力なくほほえんだ。 こんな時まで笑ってるなんて、愛らしい。 「…ねえ、愛菜に会わせて?」 今日は熱はないらしく、ろれつは回ってる。 俺は静かにうなづいて、愛を車いすに乗せ、愛菜のもとに連れて行った。 「…あ、愛菜…。」 愛菜はすやすや眠っている。この前生まれたばかりなのに、少し大きくなったように見える。