「でも、お前は治療が…」 

「治療は赤ちゃんうんでからする。つらくてもがんばる。卓哉と赤ちゃんと、一緒にいきるために。」


つぅっと、俺の頬を涙が伝う。

「男が泣くなんて、だらしないよ、パパ。」

愛が笑う。


"パパ"その言葉が、すごく胸に響いた。

「分かった。赤ちゃん、産んでくれ。でも、愛も生きるんだ。いいな?絶対だぞ。」

愛がうれしそうにうなづいた。