「は、なしてよ!」 俺は愛を抱き締めていた。 「離せねぇよ。お前、本心じゃないだろ。顔に出てる。」 愛のからだが固くなるのが分かった。 「本当に好きなやつがいんなら、なんでそんな辛そうな顔してんだよ。」 「俺にわかんないとでも思うか?お前のこと一番わかってんのに。」 その瞬間、俺の肩が濡れた。 「…くぅっ……っ」 愛が…泣いている。 俺はいっそう強く、愛を抱き寄せた。 「愛、愛してるよ。」