私は1万円。
売春をしだして私の価値が決まった。
はじめて体を売った相手はお父さんと同じ歳のおっさん。
「君いくら?」
「いくらだったらいい?」
「うーん。1万かなー」
けして安いと思わなかった。
こんなあたしに1万もくれるなんて。人は値段で価値が決まるのかこんな汚い体を好んで男は汗流しながら必死で稼いだ金を私に払ってくれる。
世の中いいように出来ている。
家に帰ってもお母さんはいないしお父さんに殴られるぐらいなら
おっさんに可愛がられてるほうがまし。
だから今日も私は夜になると町へでかける。
お金がほしいわけじゃない。
こんな私でも必要とされてることを実感するために…