笑った悠翔が頭から離れない。



帰りの船ん中、悠翔が隣にいた。

時間が止まればいいのに…

なんて思った。


水で濡れた顔で、無邪気に笑って振り向く悠翔が、すごく好き。

可愛いよ…悠翔…

好きなの…



『降りるでぇー』

…今…気持ち溢れそうやった…

どぉしよう…

あたし…あかんのに…




――――――

この時はまだ、悠翔が好きだったのかもしれない。

いや…そう、信じていたんだ。




本当の気持ちになんて
気付かずに…


――――――