いつも自分で作るご飯は、おいしくない
味がしないし、匂いもしないし、不味い
だからと言って外食ができるほど
経済的に余裕はない
だから、我慢する
得意料理はビーフシチューだったけれど
今では作る意味がなくなってしまった
あの人はいつも
「おいしいおいしい」
と言って満足そうに平らげていた
その顔を見ながら食事をするのが
何よりも大好きだった
生きている喜びとか、甲斐だとか、
そういうものなのかもしれない、と。
そんな生活があったことが
今ではとても考えられないことに、
虚しさを感じて、泣いてしまいたくなる
泣いてしまいたいのに、涙が出ない
まるで私の体は、壊れかけのロボットだ