逆転ガール






現実を思い出して気分が滅入ってしまい下を向いてふさぎ込んでいるいる時、後ろの方から、カランカラン。とお客さんが入ってくる音が聞こえてきた。



「いらっしゃいませ」



私がふさぎ込んでいる間にお客さんから注文されていた暁は、カクテルを作りながら言葉を発した。低くて耳には丁度いい音程が、頭上から聞こえる。



「高城さん。お久しぶりです」



いつの間にか私の横に座っていたのは、何やら私のいとこの暁を親しげな感じで話していた。2~3人で来たらしい。スーツを着ていたので、会社が終わってから真っ直ぐこの店に来たみたいだ。



「お、黒田か‥。久しぶりだな」



カクテルをお客さんに出し終えた暁はこちら側のカウンターへと歩み寄ってきた。



ん‥?知り合い‥?



「あ、今日は同僚連れてきました。なんか、高城さんの話をしていたら、話を聞いて欲しくなったそうで‥いいですか?」



「いいですかってもう連れてきてるだろ。お客を連れてくるのはいいが俺の負担も考えろよ」



「そうでしたね、すいません。」




なんだか和やかな雰囲気に、私はうずくまった腕から少し顔をあげた。暁は言ってることは冷たそうだけど、口調が優しく感じた。



(私の時はあんなに冷たいくせに‥‥)