キミの風を感じて


「え、えーっ、2人っきりで――――っ?」


思わず叫んだ。




あ、いや、今のだと特訓がイヤなんじゃなくて、加島くんと2人っきりで練習するのが苦痛だと発表しちゃったみたいだ。


ヤバイ。気を悪くしたかな?




チラッと横を見あげたけど、加島くんてばいつも不機嫌そうだから、そこらへんの判別はつかなかった。




「あの、雨の日はどうするの……?」


小さな声で訊いてみる。




「中止」


そっか、じゃあ、ずっと雨だったらいいわけだ。




「雨乞いでもする?」


ボソッとささやかれた。




えっ、今わたし声に出してないよね?




「俺と2人じゃヤだろーけど、まぁがんばってよ」


なんて言い残して、加島くんはグランドの中のほうへと歩きだした。




ひぇー、バ、バレてる……。