キミの風を感じて


加島くんは部屋の中央まで歩いて行くと、事務机のところにある回転いすを2脚ゴロゴロと移動させ、窓に向けて並べた。


それから入り口付近で立ち尽くしているわたしのところに戻ってきて訊く。


「座る?」


「う、うん」


小さな子どもにするみたいに小首を傾げて顔をのぞきこむから、ドギマギしながらうなずいた。


そうしたら加島くんはスッとわたしの手をひいて、椅子のところへ連れてってくれた。




2人並んで腰を下ろす。




「気持ちいいからもっと窓辺に行きたいんだけど、外から見つかると怒られるからな」


「授業中だもんね」


へへっと笑ったわたしの顔を、彼は静かに見つめていた。




「その授業中に飛んで来てくれたんだもんな、立木さんは」


「う……?」


勘違いしたことを思い出して赤くなる。