キミの風を感じて


そんな日々が2,3日過ぎた頃――


「……っと、ちょっと加島くんってば」


昼休み、弁当を食ったあといつものように机に突っ伏してると、肩をポンポン叩かれた。


顔をあげると、同じ陸上部の松山が難しい顔をして突っ立っている。




「新しい顧問が来るらしいよ」


眉をひそめて松山は言った。


「え?」


「陸上の有名校で教えてた先生だって。吉崎先生と顧問代わっちゃうのかな?」


いつになく情けない声になっている。




「その話なら福本さんが阻止してくれたんじゃないのか?」


かけ合ってくれると聞いてはいたけれど、その後の結果はまだ聞いてなかった。




「福本先輩は今、大学の練習に合流していていないんだって。新キャプテンがケータイに連絡したら、『教頭に要望は出してあるから大丈夫だ』って言われたらしいけど」


困惑気味に松山が言う。