キミの風を感じて


冬休みが終わった――。


休みの間、日々のトレーニングや長距離の競技会なんかがあって、結構忙しく過ごしていた。


何も考えたくなかったから、それはそれでちょうどよかった。





そして、今日から3学期。


朝教室に入ると、みんなガヤガヤともう通常モードに戻っている。


まるで冬休みなんかなかったみたいに。




ちらっと、思わず教室の中央に目をやった。


立木さんが来ている。




可愛い顔。


いつものようにとなりの夢崎さんと普通にしゃべっている。



普通に……。うん。




あのライブの日以来、初めて見る姿だった。


連絡はあの☆のメールを最後にとぎれた。





もう……高梨とつきあってるんだろうか?










不意に立木さんが顔をあげて、まともに目が合った。


ドキッとして一瞬動けなくなる。