キミの風を感じて


「確かに」


横で斉木も笑った。


宮本はさらに重ねて言ってくる。


「この間もテレビでめちゃくちゃ無愛想なのに『加島くん、すっかり明るくなりましたー!』とか言われてなかった? 笑ったわー、あれ」



こいつ……。完全にバカにしてやがる。




「だけど、加島が一番“プリンス顔”やもんな」


ムッスリしている俺をとりなすように、斉木が言った。




「は? そっちだろ、それは。

お前らとひとくくりにされて“プリンス”なんて呼ばれて、こっちは迷惑してんだからな」


斉木は大人っぽくて優しげな独特の雰囲気があるし、宮本はキリッとしていて精悍な顔立ちだ。




「わかってないなぁ。加島のその不機嫌なプリンス顔がほどけて、ニコッと爽やかに笑われたりしたら、たいていの女の子はオチるで」


「自覚なし、愛想なし。宝の持ちぐされってやつだ」


斉木と宮本が続けて茶化す。