キミの風を感じて


う~む。


しかし俺のあんな発言を聞いたとなると、立木さんだっていい気はしないはずだ。


どーゆーこと?って詰め寄られたって不思議はない。




スマホを片手に少し迷っていたけれど、スクロールさせた彼女の名前を、指でそっと触れてみた。




『はい』


『あ……立木さん、今何してた?』


『テレビ見てた……よ、加島くんの』


『そっか』


『……うん』


いつもより返事が重たい気がする。




『インタビューで彼女はいないって言ったのは、君を巻き込みたくなかったからなんだ』


いきなりだけど説明を始めた。




『そう……。騒がれるのヤダもんね』


『つーか、いやがらせとか心配だったし』


『うん……』