「紅くなってる」 優しい声……。 「ホントだね」 一緒に加島くんの手のひらの紅い葉っぱをのぞき込んだら、クスッと笑われた。 「立木さんのことだし」 え……。 息がかかりそうな距離。 きっとわたし、この葉っぱより真っ赤だ。 「手、触ってみ」 ポソッと彼がそう言った。 そっと触れると、葉っぱをのせた指先は氷みたいに冷たい。 「寒いの?」 「……緊張してる」